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職員の解雇に関して

はじめに

民法上は、使用者が2週間の予告期間をおけばいつでも労働者を解雇できるという「解雇の自由」が認められています。しかし、労働契約においては、使用者と労働者の立場に差異があることが一般的なので、労働者保護の観点から、労働基準法や労働契約法等に種々の規定が設けられ、解雇をできる場面が制限されています。

医療機関においても、医師や看護師といった専門職についての一定の配慮があるとしても、根本的な原則は同様ですので、ご注意ください。

普通解雇

労働基準法では、解雇事由は、就業規則の絶対的必要記載事項とされています(労働基準法89条3号)。したがって、就業規則が作成されている事業者においては、労働者を解雇するためには、原則として、就業規則の解雇事由に当たる事由が労働者にあることが必要です。

一般的には、疾病、能力不足、職務懈怠、職場規律違反などの労働者側の事由による普通解雇や懲戒解雇と、経営側の事由による整理解雇などがあります。

もっとも、就業規則に定められた事由に該当したからといって、直ちに解雇が認められるわけではなく、解雇の合理性、社会的相当性というものも必要となります。例えば、無断欠勤が1回あったというだけで解雇するということは、合理性や社会的相当性がないと判断される可能性があります。

医師については、専門的知見を活かし患者の治療にあたるという高い職責を求められるので、解雇の相当性において他の医療従事者とは異なる配慮がなされることになり、患者への悪影響を考慮し、解雇についての合理性が認められやすいという側面はあります。とはいえ、原則として安易な解雇が認められないことは他の職員と変わりがありませんので、慎重な判断が必要です。

懲戒解雇

懲戒解雇は、懲戒として行われる解雇で、懲戒の中でもっとも重い処分ですが、普通解雇同様に就業規則に規定しておくことが必要です。懲戒解雇では、退職金を支給しないなどと規定されることも多く、労働者に懲戒解雇を受けたものというレッテルを貼り再就職が困難となるなど、労働者にあたえる不利益は重大です。従って、懲戒解雇が認められるか否かは、普通解雇以上に厳格に判断されることになります。
 
具体的には、懲戒解雇事由の該当性を慎重に判断した上で、懲戒権の濫用に当たらないか否かについて処分の相当性や手続きの相当性から判断されることになります。懲戒事由としては、経歴詐称、職務上の非違行為、業務命令違反、職場規律違反等が問題となりますが、これらが労働者の単なる義務違反にとどまらず、職場に多大な影響を及ぼしたかなどから判断をしてくことになります。

まとめ

普通解雇も懲戒解雇も、従業員の職場を奪う重い処分です。従業員が行った行為の内容や程度をよく検討し、他の処分の可能性も含め慎重に対応することが必要です。解雇について、従業員の不満が大きいと、労働基準監督署に相談され労働基準監督署から指導が入ったり、裁判を起こされたりするなど、その対応に多大な労力が必要となります。

大阪A&M法律事務所では、解雇を含めた労働問題についても医療機関に対し適切なアドバイスを行っております。まずは、お気軽にご相談ください。

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